覚えていますか?2014年に北海道にじゃがいものリサーチのために滞在していたダニエル・ジャコビー(左)です。右は、今回のプロジェクトのパートナー、荒木悠さんです。
4月12日から2週間ちょっと帯広市に滞在して撮影を行い、最後に札幌で複数のデメーテル関係者へのインタビューのため、天神山アートスタジオへ。
麓の回転寿司を堪能する二人。
2014年のダニエル滞在時に実際に彼のリサーチをサポートした植村絵美さん、坂口千秋さん、宇佐見祥子さんからバトンタッチされるようにまた私も天神山アートスタジオとして応援しました。
帯広市役所からの眺め。十勝の山々が広がります。
上の方に緑のスペースが見えます、そこがばんえい競馬場です。2002年にとかち現代アート展デメーテルの主会場になった場所です。
ダニエルは、2014年のじゃがいもリサーチの際、帯広で案内をしてくれた人がたまたま連れて行ってくれたばんえい競馬場と出会ったのです。ばんえい競馬、十勝という場所からそのときインスピレーションを得て、デメーテルという国際展の存在を知り、今回のプロジェクトが始まりました。
競馬場のレースサイトの砂を入れ替える作業を撮影する二人。(左の小さい人間が彼ら)
荒木さんとジャゴビーは今回のプロジェクトのための特別チームです。帯広では十勝で活動されている彫刻家でありサポーターである相原さんに紹介いただいた、個人のアートサポーター松本さんのおたくに滞在してホスピタリティ高い歓迎を受けていたようです。十勝アメージング!!とダニエル談。
当時の国際展主催者のひとつだった十勝毎日新聞社から取材を受けて実現した記事。
今回制作されている作品は、スペインのミロ美術館 での The Way Things Doという展覧会に参加が決まっています。
(展覧会概要)
2017年6月、バルセロナのジョアン・ミロ財団は、キュレーターのマルティナ・ミラを迎え、スイスの アーティストデュオ・フィッシュリ&ヴァイスの代表作《The Way Things Go(邦題:事の次第)》に呼 応する展覧会《The Way Things Do》を開催致します。世界で活躍している新進気鋭の作家4組を招聘す る本展は、近年の哲学理論であるオブジェクト指向存在論(Object-Oriented Ontology)によって示唆さ れているように、オブジェクト自体が私たちの環境において能動的な要素であることを考察するものと なるでしょう。
フィッシュリ&ヴァイスの映像作品の30周年を記念する本展では、彼らの映像作品を投影するのに加 え、当館の4つの展示室でセラフィン・アルヴァレズ(1985年生・スペイン)、セシル・B・エヴァンス (1983年生・アメリカ / ベルギー)による新作コミッションワークと、荒木悠(1985年生・日本)とダ ニエル・ジャコビー(1985年生・ペルー)による協働作品が展示されます。
==
10月1日までの長期間の展覧会のようですから、この夏から秋にヨーロッパに行かれる方はぜひ美術館を訪ねてみてください。
ダニエルはオランダを拠点に活動していますが、出身国ペルーでは若い世代のアーティスト代表ですし、荒木さんも国際的に活躍し、昨年の岡山芸術交流 OKAYAMA ART SUMMIT2016に参加し、よい評価をしっかりと受けた、大注目の二人です。(勝毎紙上では、年齢36歳となっていますが、ほんとはまだ31歳。)
今回の作品の上映や、新しいプロジェクトを、これからもなにかいっしょにやりたいですね!
ご協力いただいた十勝のみなさん!たいへんお世話になりました!!
(アーティスト・プロフィール)
ダニエル・ジャコビー | Daniel Jacoby 1985年リマ生まれの美術家・映像作家。現在アムステルダム在住。 バルセロナ大学卒業後、フランクフルトの名門国立造形美術大学シュテーデルシューレ・フランクフルト で教育を受ける。映像作品はこれまで25FPS(ザグレブ)、Bienal de la Imagen en Movimiento(ブエノ ス・アイレス)、MIEFF(モスクワ)、 Go Short(ナイメーヘン)、 Sheffield Fringe(シェフィール ド)、Videobrasil(サンパウロ)とLes Rencontres Internationales(パリ)といった数々の国際映画祭で 上映されている 。 2016年『Jagata』がリマ国際インディペンデント映画祭(ペルー)の国内コンペティ ション部門で最優秀作品賞を受賞。近年の展覧会はCRAC Alsace(アルトキルシュ、フランス)、EYE Film Institute(アムステルダム)、バンフ・センター(アルバータ、カナダ)、Kunsthal Chalottenborg (コペンハーゲン)、パレ・ド・トーキョー(パリ)、Kunstverein Harburger Bahnhof(ハンブル グ)、1646(デン・ハーグ)、Trafó(ブダペスト)、第11回クエンカ・ビエンナーレ(エクアドル)な どで発表。 これまで参加した主なレジデンス・プログラムにデルフィナ財団(ロンドン)、ヤン・ファ ン・エイク・アカデミー(マーストリヒト)、Casino Luxembourg(ルクセンブルグ)、トーキョーワン ダーサイト(東京)など多数。
荒木 悠 | Yu Araki
1985年山形市生まれの美術家・映像作家。現在東京都在住。 2007年にセントルイス・ワシントン大学卒業後、2010年東京藝術大学大学院映像研究科で修士号を取 得。映像作品はこれまで第59回BFIロンドン映画祭(ロンドン)、テート・モダン(ロンドン)、Move on Asia(ソウル)、BAC!(バルセロナ)、第56回オーバーハウゼン国際短編映画祭(オーバーハウゼ ン)、Streaming Festival(デン・ハーグ)、DOTMOVフェスティバル(札幌)、up-and-coming映画祭 (ハノーファー)、Spark Video(カナダ)、第29回モスクワ国際映画祭(モスクワ)、セントルイス国 際映画祭(セントルイス)といった数々の国際映画祭で上映されている 。近年の主な展覧会に、「クロ ニクル、クロニクル!」(CCO、大阪)、「岡山芸術交流2016:開発」(岡山)、「New Artist Picks 荒木悠展:複製神殿」(横浜美術館)、「Anthropographes」(ベナキ美術館、アテネ)などがある。こ れまで参加した主なレジデンス・プログラムにSNEHTA(アテネ)、タシタ・ディーン ワークショップ (サンタンデール)、トーキョーワンダーサイト(東京)など多数。
==
おまけ画像。帯広での荒木さんとダニエルのプチ歓迎会のパエリア。美味しかったです!MO