「冬・雪・さっぽろ」2014公募プログラムについて
札幌市は、積雪寒冷地に200万人もの人が暮らす世界でも珍しい大都市です。札幌の冬は雪の季節であり夏季の生活環境とはまったく異なる環境の中での生活を余儀なくされます。除雪や雪害といった問題に立ち向かいながら、雪との共存を試みる技術が培われてきました。都市生活を支えるロードヒーティングや地下道といったインフラや交通、人々の日常的な行動や所作、さらにはスポーツ、雪まつりといったイベント遊びに至るまで、都市を生成するさまざまな創造力が、雪との共存の試みの中に現れています。
その札幌市の中心部にほど近いここ平岸・澄川地域は、交通至便な市街地でありながら、天神山緑地をはじめ精進川河畔の散策路など、自然を感じる環境が身近に整っており、地域住民の交流の場となっています。しかしこれらの場所がそれもまた冬には雪で閉ざされてしまうため、このような交流も制限されてしまいます。
5月末の開館以来、訪れる市民と滞在作家の間に自然な交流を育んできたさっぽろ天神山アートスタジオも、いよいよ初めての冬を迎えます。緑豊かな天神山の景色も、冬にはきっと一変するでしょう。でもその一方、冬ならではの創造活動にぴったりの場になるかもしれません。この環境を活用した、冬の暮らしや都市生活をポジティブに捉え直すアートによる地域活性化事業を展開します。
冬・雪・さっぽろ、これら3つのキーワードを軸にしたそれぞれのアイデアを、滞在制作を通して深めてください。このプログラムは、アーティストたちの冬場の制作環境の創出と、滞在アーティストのワークショップや成果発表を通じて、コミュニティの実験的な冬の創造体験にもつなげたいと考えています。アーティストやクリエーターなど多数の方々の応募をお待ちしています。
応募条件など公募に関する詳細は「応募要項・応募フォーム」をダウンロードして確認してください。または、Eメールで「応募要項・応募フォーム」リクエストをいただければ、添付ファイルで送付いたします。
応募要項・応募フォーム(日本語) ダウンロード
応募要項・応募フォーム(英語) ダウンロード
<選考委員>
飯田志保子 キュレーター
磯崎道佳 美術家
樋泉綾子 本郷新記念札幌彫刻美術館学芸員
小田井真美 さっぽろ天神山アートスタジオAIRプログラムディレクター