- 日時
- 2018年2月17日 10:00 〜 2018年2月25日 18:00
- イベント名
- s(k)now [ snow + know] 雪 、冬 、北 方 圏/展覧会及び活動記録展示、トーク&レクチャー
- 内容
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> 2017年度国際公募アーティスト・イン・レジデンス(AIR)事業について
札幌市は、積雪寒冷地に200万人もの人が暮らす世界でも珍しい大都市です。その独特な都市生活を支える存在として雪対策室といった専門部署も備えられています。1972年に開催された冬季オリンピック札幌大会で、札幌は都市化を加速させました。都市生活を支える独自の除雪のしくみ、ロードヒーティングや地下道といったインフラや交通、人々の日常的な行動や所作、さらにはスポーツ雪まつりといったイベントに至るまで、都市を生成するさまざまな創造力が、雪との共存の試みの中に現れています。このように日本という国の中で札幌、北海道を眺めるとき、この地域が独特な自然環境や人の営み、歴史を有していると気付かされます。同時に国境にとらわれない視点でこの地域を眺めると、本来この地域が北方圏に属し、私たちの営みは北方文化のなだらかなつらなりの南端に位置しているとわかります。今年度の国際公募プログラムではこれら2つの視点を交わらせ、アーティストの創造力によっていまある境界線を軽々と超えていく試みにしたいと考えています。
アーティストは、「冬・雪・北方圏」これら3つのキーワードを軸にしたそれぞれのアイデアを、滞在制作を通して深めていきます。
アーティストによるリサーチ、制作への新しい展開につながる機会を提供するとともに、地域やそこに暮らす人々にとっては、アーティストやその活動、作品との出会いによって「冬・雪・北方圏」に対する受け止めかたを再確認したり、拡張したり変化するような新鮮な機会になれば幸いです。
s(k)now
国際的なアーティストによる滞在制作活動と活動成果発表プログラム
⚪︎展覧会及び活動記録展示
日時:2018年2月17日(土)~25日(日)10:00~18:00
会場:さっぽろ天神山アートスタジオ
*予約不要、無料
⚪︎特別プログラム:トーク&レクチャー
1)都市のインフラとしてのオリンピック、創造と表現のインフラとしてのAIR
日時:2018年2月18日(日)11:00-13:00
講師:白取 史之 (札幌オリンピックミュージアム 学芸員)
聞き手:小田井 真美
2)アーティスト・トークとクロージング・パーティ
日時:2018年2月25日(日)15:00-18:00
語り手:招聘アーティスト/ミッシェル アンジェリカ カビルド(ミカ)、 西松 秀祐
聞き手:磯崎 道佳(美術家、2017年度国際公募審査員)ほか
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アーティスト・イン・レジデンス(AIR)事業 概要:
さっぽろ天神山アートスタジオでは、冬季札幌・北海道をフィールドに、国内外で活動するアーティストが滞在型制作(調査研究と作品制作)を行うための支援として美術分野のアーティストを招聘しています。
プログラムキーワード『冬・雪・北方圏』に対して 256件の応募の中から選ばれた2名が滞在制作活動の成果を展示とアーティスト・トークで発表します。 2名のうち1名は、コミュニティプログラム(アーティスト・イン・スクール/協力:おとどけアート実行委員会)を通じて学校でも活動、もう1名はエキシビジョンプログラムとしてリサーチベースで作品制作を行います。制作過程で審査にあたった美術家との対話(コーチング)を経て展覧会を構築します。
●滞在期間: 2018年1月13日(土)-2月25日(日)
【コミュニティ・プログラム】
フィリピン ミシェル・アンジェリカ・カビルド(ミカ)
© brendan-goco
フィリピンの首都マニラを拠点にデザインを学んだのち、アートとデザイン、2つの分野を往来しながら制作活動を行っています。札幌での滞在制作に向けたプレリサーチで「海岸沿いに砂が延々と続くフィリピン」と「雪と氷が尽きることのない冬の北海道」、まるっきり異なるこの2つの場所をつなぐ存在として、雪の上に現われる「砂」を発見、札幌でのプロジェクトプランを作成しました。現地でリサーチ活動と並行して、澄川南小学校でワークショップ野外作品を制作し、最後に天神山アートスタジオで活動全てのドキュメントを作成し公開します。
※澄川南小学校での活動を公開します。(予約制の見学) 見学の申込方法は、Eメールか電話で担当者にご連絡ください。
> アーティスト・イン・スクールについて
日本では高度経済成長期にマンモス化した公立の小・中学校の校舎が、少子化が進み、校舎の中に空き教室が生み出されるようになってきました。この時代の変遷で生まれた「すきま」をアーティスト・イン・レジデンスの新しいサイトとして見出し、子ども達の通う(現役の)小学校の余裕教室をアトリエにして、アーティストが一定期間、一時的に滞在し、制作活動を行うプログラムです。アーティストは、学校を拠点にした制作活動を通じて、子どもたち、教職員、保護者、地域住民などコミュニティに新しい交流をつくりだしていきます。
・期間:2018年2月1日(木)から13日(火)、約2週間
・場所:札幌市立澄川南小学校
・見学申し込み先(担当:小林):Eメール info@tenjinyamastudio.jp TEL : 011-820-2140
【エキシビジョン・プログラム】
日本 西松秀祐
© sophia hamann
岐阜(日本)出身、5年に渡りドイツを拠点に活動を続け、今後は日本での活動を模索していきます。活動はコンセプトに基づいて制作され、写真、映像、ストーリーテーリングなど多様な作品携帯を用いています。このプログラムでは過去のアルバイト経験で気になり始めた「物流」と北海道を出発点に、運送業、漁港、船に関するリサーチを行いました。また、滞在に伴う、札幌の暮らし、雪との付き合い、現地の人々との対話をてがかりに、雪(自然)と人(都市生活)の境界を探し、共存する領域について制作します。
主催: さっぽろ天神山アートスタジオ(札幌市/市民文化局国際芸術祭担当部)
協力: おとどけアート実行委員会
企画: 小田井真美(AIRディレクター、公募審査員)
コーディネート:一般社団法人 AISプランニング
公募審査員: 磯崎道佳(美術家)、島袋道浩(美術家)
※公募審査員によるプログラムアーティスト選考コメントはこちらへ⇒ ブログ