- 日時
- 2018年10月01日 0:00 〜 2018年12月28日 0:00
- イベント名
- 2018年度 秋の招聘AIRプログラム
- 内容
さっぽろ天神山アートスタジオ 2018年度 秋の招聘AIRプログラム/文化庁さっぽろ天神山アートスタジオと国際的な文脈で活動する組織・グループとのコラボレーション(連携)をもとにした、アーティスト・イン・レジデンスプログラムを2018年秋に行います。
アーティスト・イン・レジデンスとは、アーティストがある地域に一時的に滞在し創造的活動を行うこと、またその活動を支援するしくみのことです。
つまり、日頃「ある」地域の住民ではないひと(よそもの)がやってきて活動をして帰っていくということです。彼らは、また彼らの活動は地域の中に風を運んできたり、風をおこすことがあります。ほおをやさしくなでるような風であったり、木をなぎ倒すような風であったり。
アーティスト・イン・レジデンスのまえとあと、または最中には、様々な関係性(つながり、ネットワーク)が生み出されます。まえとあとその最中に生まれる関係性こそ、アーティスト・イン・レジデンス事業の成果であろうとかんがえています。事業開始から5年目となるさっぽろ天神山アートスタジオには、オーガナイザー同士の、アーティストとオーガナイザーの、アーティストとアーティストとのシンプルだったり、複雑に入り組んだりしている多様なネットワークが紡がれてきました。2018年の_秋には、このネットワークのいくつかを選び、新たな関係性を構築するために3人のアーティストを迎えることになりました。3人のアーティストはそれぞれインディビジュアルに活動を進めていきます。
3人の滞在の最終段階で滞在制作活動成果報告を実施します。アーティストの紹介と成果報告会の日程は下記の通りです。
招聘アーティスト
Jun Chong / ジュン・チョン
映画監督 シンガポール
協力:札幌国際短編映画祭【プロフィール】
シンガポールの多民族多文化社会を背景に、人と人の関係に強い関心を持つ。2017年、国内の若手映画監督の作品をオムニバスで紹介する「667」で処女作《客》(邦題:祖父の墓)を発表し、釜山国際映画祭(BIFF)2017に公式招待される。また全アジアを対象に選出される才能ある24人の映画監督の1人として、BIFF 2017のアジアフィルムアカデミーに参加。2018年、札幌国際短編映画祭の公式招待作品に《祖父の墓》が選ばれ、最優秀アジアンショート賞/最優秀女優賞をダブル受賞。現在さっぽろ天神山アートスタジオで滞在制作を行う。気鋭の映画監督ロイストン・タンと共同監督をつとめた全11話のTVドラマ《吃饱没2》(Eat Already 2)は、シンガポールで何十年ぶりに撮られたマンダリン語のドラマとして話題を呼び、また卒業制作の《Aiden》は、2016年シンガポール若手映画アワードの最優秀デザイン作品にノミネートされるなど、注目の新鋭映画監督である。
【レジデンス期間中の活動及び成果発表の予定】
10/10-14まで開催された札幌短編映画祭2018に参加。滞在期間中に、ショートフィルムを制作する。現在スクリプト(台本)を執筆しており、10月中には札幌で出会った俳優を起用して撮影を行う。
11月13日(火)に、制作予定のショートフィルム作品の上映会を計画中。(場所/時間など詳細未定)Rahic Talif/ 拉黒子・達立夫 / ラヘーズ・タリフ
アーティスト 台湾
協力:Tailing Dawn Artists Village, Taiwan East Coast Land Arts Festival 2018【プロフィール】
花蓮阿美(アミ)族港口部落出身で、現在は制作活動に専念している。対等主に木の彫刻、装置、行為、建築、家具、部落文化の再生、先住民社会文化評論等といった領域で活躍しており、国内外の芸術展、パブリックアート制作にも多数参加している。作品は主に海洋文化の特質と部落の伝統的な要素を含んでおり、洗練された彫刻のラインと的確な語彙で、グローバルな問題に対して質問を投げかけており、更には民族間構造のほころび、社会環境の移ろい、それらの現状に対して、自分の行為と芸術作品を使い、オーディエンスの内省的な感情を引き出している。過去にACC(アジアンカルチュラルカウンシル)のフェローとして、NYにレジデンス滞在、そのほか海外での活動も多く、2019年にはドイツで展覧会を予定している。日本/札幌・北海道には2008年北海道洞爺湖で開催されたサミットと同時期に実施された「先住民サミット」参加して以来2度めの滞在となる。
【レジデンス期間中の活動及び成果発表の予定】
9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震以後の北海道・札幌の状況をリサーチし新作を制作する予定。
11月23日(金)-12月9日(日)に、展覧会形式による滞在制作活動成果を発表予定。*2018年度 交換プログラム
天神山アートスタジオから 台湾Tailing Dawn Artists Village, Taiwan East Coast Land Arts Festival 2018への派遣
梅田 哲也 / Tetsuya Umedaアーティスト 日本
黒田大祐 / Daisuke Kuroda
アーティスト 日本
協力:対馬アートファンタジア大学進学を機に広島に拠点を移し、広島や瀬戸内海の歴史、出来事をテーマに作品を制作していたが、東日本大震災以後、気象や地形などの物理的な「環境」と「歴史」などの人間の物語の関係性にテーマを移行し、現在は、家電などを用いてキネティックな彫刻作品や映像を用いたインスタレーション作品を展開している。2011年より対馬で開催している「対馬アートファンタジア」に携わったことを契機に、東アジアに着目するようになり、瀬戸内から対馬、韓国と点在する植物についての作品「チョウジガマズミについて」(瀬戸内国際芸術祭2016)などを制作。近年は、自身のルーツとも言える「彫刻」について着目し、「不在の彫刻史」シリーズを展開。「不在の彫刻史」(TOKAS本郷)を開催した。個人の活動の他に「チームやめよう」を主宰。
【レジデンス期間中の活動及び成果発表の予定】
◇札幌での取り組み
(背景)
日本が帝国主義的な支配を拡大していた1930年代頃、東京美術学校彫刻科に様々な国から彫刻家を志す若者が集い、後にそれぞれの国に戻って作家や教師として活躍、その国の後進の彫刻家たちに影響を与えた。本リサーチは、1930年代頃の東京美術学校彫刻科の建畠大夢教室に着目し、建畠の教え子の教え子、さらにその教え子までを探し出し、聞き取りを中心としたリサーチを行い、東アジアに横たわる彫刻概念について作品を制作するプロジェクト「不在の彫刻史2―建畠大夢とその教え子―」に関連するものである。(滞在中の活動)
札幌市内及び道内に点在するブロンズの人体像の公共彫刻に関してリサーチを進め、東アジアにおける近代的彫刻概念の一端とその伝播や継承について作品を制作する。なぜそれが作られたのか、そしてなにが作られたのかを解き明かして行くことを目指す。具体的には釧路の幣舞橋の4人の彫刻家による彫像、札幌芸術の森、本郷新記念札幌彫刻美術館、市内に点在する作品についてリサーチを進めて行く。2019年2月16日/17日に、冬の招聘アーティスト(南隆雄)と同時に国際レジデンスプログラムに参加した日本のアーティストサイドからの成果報告(展示またはトーク&レクチャー)と国際プログラムとしてのAIRに関するトークを実施予定。
クレジット
主催:一般社団法人 AISプランニング
共催:札幌市
協力:札幌国際短編映画祭、Tailing Dawn Artists Village, Taiwan East Coast Land Arts Festival 2018、対馬アートファンタジア
支援:文化庁さっぽろ天神山アートスタジオ(本件に関するお問い合わせ先)
プログラム・ディレクション:AIRディレクター小田井真美
コーディネーション:坂口千秋、天神山アートスタジオ
TEL 011-820-2140 Email info@tenjinyamastudio.jp
小田井 080-3234-0228 Email mami@sapporo2.org