2018年04月6日 創作活動滞在アーティストと市民の交流企画滞在者紹介
日本全国を見れば既に桜が咲き乱れているのに、天神山には未だ雪が残っています。
だいぶ暖かくなってきましたが、まだ寒い。
でも、そんな中滞在者の間中ムーチョさんがパフォーマンスを行いました。
ムーチョさんは昔、あの有名なシルバニアファミリーのデザイナーとして働いていたという経歴を持つ方で、
ネズミの家族の誕生日は彼女の家族の誕生日だとか。
今回、野外で行ったパフォーマンスのタイトルは「つち」。
雪の上に撒いているのは肥料で、よく見ると目の部分が「つち」という文字で書いてあります。
彼女は茨城に住んでいた2011年、3.11の東日本大震災に被災。
庭に植えていた植物が異常成長した事を目の当たりにし、関西に避難を決めました。
このパフォーマンスは擬人化された土が言葉を語ることでストーリーが進んでゆきます。
間中さん曰く「土への感謝と弔いの気持ちをこめて、本物の土と一緒にパフォーマンスをします。
もしよろしかったら一緒に土と遊びましょう。」とのこと。
見た目はとてもかわいいのですが、そこに込められた思いは深刻なものです。
放射能で汚染された土が黒い袋に包まれ、行く先もなく彷徨っている姿は、
ある日を境にその場所を離れなければならなくなった人たちを思い出させます。
大切な何かや誰かと共存していくために、私たちが日々大事にしなければならないこと。
それは足元にある、大事なことなんでしょうね。
小林
アーティスト/Artist
間中ムーチョ / Manaka Mucho ⇒ 絵本「ぬかどこさま」がこちらでご覧いただけます。